ブックタイトルぎふ家づくりの本 2016年版

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概要

ぎふ家づくりの本 2016年版

44新しいプロジェクトを始めるにあたっては、大学へのプレゼンテーションを目指して、当時の4年生を中心に学生たちでミーティングを重ねました。平成21年度の前期のことです。最初に決まったのは、「大学で必要とされる建物を建てる」ということ。そこで、同じ大学の初等教育学専攻と連携し、保育実習で利用できる施設をつくることになりました。少子高齢化が進む社会にあって、地域と連携した子育て支援、教育支援活動の場として、初等教育学専攻の学生たちが地域の子どもたちを集めて絵本の読み聞かせができる保育実習棟、という方向で固まりました。◎子どもたちの目線で大学へのプレゼンテーションも無事に終え、後期に入ってからは具体的な計画に着手しました。まず初等教育学専攻の先生方に保育実習の機能や空間の使い方、必要な広さなどをヒヤリングし、基本的な設計条件をまとめ、グループごとにテーマを決めて素案づくりを行いました。建物を建てる側ではなく、その空間を使う側の目線で考える。それが「住居学」の基本。1年生から4年生まで、経験や課程の進度に関係なく、子どもたちと遊ぶシーンを思い描きながら自由にアイデアを寄せ合いました。[構想と設計]「どんな建物をつくろう?」そこから始まったプロジェクト◎子どもたちが楽しめる工夫を今回のプロジェクトの建物の建築面積は、37・44m2(11・32坪)。一方、完成時の延べ床面積は、約1.5倍の50・50m2(15・30坪)。その理由は建物中央の柱を活用した「ツリーハウス」にあります。今回のプロジェクトでの「ツリーハウス」とは、建物のセンターに中二階のような踊り場をつくり、そこに階段と滑り台を取り付けて上下方向の動線をつくる遊具のようなもの。子どもたちが伸び伸びと動き回ることができ、集まって絵本を読んでもらうスペースもしっかり確保する工夫です。そのために計画時の4年生が考えた構造は、一般の木造住宅で多く用いられる在来工法を応用した、中央と八つの角の柱で支えるもの。施工での難易度は高くなりましたが、子どもたちにはうれしい建物になっていきました。