特集月:2009年1月
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ぎふ家づくりの本web
女性ならではの気づきがあります。/TICKLE27 FURNITURE 津田佳恵さん


[写真1]スプーン、ナイフ
[写真2]ダストボックス [写真3]時計

 三重県桑名市。大きな工場が津田さんのワークスペース。「女性ならではの気づきがあります。使って、ちょっとうれしいと思ってもらえる発想を大事にしています」と語る。
 取材時、ちょうどスプーンの注文を受けていたところで、その制作に追われていました。「私自身が左利きで、子どもの頃、給食で注ぎ口のついているお玉がとても使いにくいと思ったものです。左利きでは使いにくい商品って案外多いんですよ」という経験から左利き用のスプーンも数多く制作している。ほかにも「デザート用では、舌触りの良さを考えて素材にカバの木を使用しました」など、「スプーン1つでも、常に用途を考えてデザインしています」とのこと。

写真1 スプーン、ナイフ
顆粒用、デザート用など、口に入れるか入れないかによって、形状も大きく異なります。上から見ると、普通に見えますが、横から見ると枝の様な引っ掛かりが持ちやすさにもつながる(小枝スプーン)。ボリュームのあるバターナイフ、手で彫ったノミ跡が舌に楽しいスプーンなど、生活小物もアイデアいっぱい。

写真2 ダストボックス
ゴミのリサイクルは必要不可欠。あらかじめ分別に対応した提案型スタイル。取り外しできるボックスは底部のRのラインが個性的です。

写真3 時計
自分なら、どう使うか。
 基本的に、依頼する人と打ち合わせを重ねて制作しますが、「プレゼント用に」と50代の男性から鏡台の依頼がありました。プレゼントですから奥様には内緒です。奥様に直接ヒアリングすることはできないので、おおよそのライフスタイルを聞いた上で、「自分なら、どう使うか」という視点をプラスして制作しました。完成した鏡台は、鏡は取り外しが可能で、横置き、縦置きの両方が可能に。ワイド、ロングの両視点から化粧やヘアセットができます。身だしなみが気になる女性ならではのアイデアです。鏡の下には3つの引き出しがあるアクセサリーボックス。これもボックスごと取り外しが可能で、単体としても使用できます。引き出しの中は斜めになっていて、引き出しの底に鏡がしつらえてあり、収納されたアクセサリーが非常に見やすい仕掛けになっています。サイドに設けられた2段の引き出し。下段はスプレーなどを収納しやすいよう底の深いつくりになっています。奥様が喜んでいる姿を見る、ご主人の満足げな表情が浮かんできそうです。
 使い勝手はもちろん、楽しさや彩り。女性ならではの気配りやアイデアを盛り込んだ別注家具を作り続ける女性職人の今後の活躍が、ますます楽しみです。
[写真4]鏡台
[写真5]スプレーボックス [写真6]キャビネット [写真7]アクセサリーボックス
[写真8]時計


写真4 鏡台

写真5 スプレーボックス
奥様思いのやさしいナイスミドルの粋なプレゼントという依頼に応えて制作した鏡台。

写真6 キャビネット
柱、梁の寸法にすっぽり収まるよう制作。ガラスのインテリアを飾りたいという希望を聞き、上部に照明を仕込んだ上、インテリアが映り込むよう背面に鏡を貼り付けています。

写真7 アクセサリーボックス

写真8 時計
廊下でも見やすいようにと、壁に取り付けられるタイプ。

TICKLE27 FURNITURE
三重県桑名市多度町美鹿字間坂1533-6
TEL.090-9165-7221
e-mail rukkora@m7.cty-net.ne.jp
URL http://www.tickle27.jp/
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